tokyotowerstsyk’s blog

初期のパーキンソン病患者です。治療の記録とともに、日常生活の中で印象に残るイベント、旅行などのレビューも併せてアップしています

タイコを習っていてわかったこと

ジェンベと呼ばれているアフリカの太鼓がある。ばち(スティックやマレット)を持たずに、基本的に手のひらで叩くタイコだ。

実は、この太鼓を習いはじめて、かれこれ2年か3年くらい経つ。どうしても、この太鼓の音にはまり、やめられないのだ。教えてくれる先生には、私は頭があがらない。まさに恩師である。

パーキンソン病の症状で、私は左手の間接が固く、右、左、右、左・・・というように連打していくと、未だにびっこをひく。普通は、ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・ダ・

という感じですぐ叩けるものだが、私の場合は「ダッ・ダダッ・ダダッ・ダダッ・ダダッ」となってしまう。だから、課題の進み方はまるで進まず、いかにこれを修正できるかという難問に先生を巻きこんでいる。

普通なら、こんな状態が何年も続けば、もう強制退場になるだろう。本当にありがたい。

 ところが、つい数日前のことだが、このびっこを引かない瞬間(といっても、未だ少しはずれているが)が訪れた。

 
左手も固さ、重さがなくなる瞬間である。ウソのように均等に叩けている。先生がなにか言ったひと言がきっかけだったが、自分も舞い上がってしまってよく覚えていない。

とにかく、左手の重さを忘れ、右と均等に叩くことができたことは確かだ。

その時の精神状態は、日常と視界がまるでちがう。ああ、この状態になったときは、身体が発病前の感覚にほぼ戻るのだな、ということに驚いた。

ただ、残念ながら、後日、一人で練習を始めると、また、びっこの状態に戻ってしまい、あのときの感じにならない。

しかし、あの感じになれば、まちがいなく身体は元通りになるはずだが、そのスイッチが見つからない。ちょっと、あの感じなるスイッチをもう一度見つけたい。

変な話だが、気のもちようで病気の症状が消え去るなら、これは願ってもないことだ。